自然も味方する

治療がうまくいく人というのは,ストップをかけなくてはならないときにちゃんと雨が降ったりする.本当に不思議ではあるが,うまくいく人というのは自然も味方をするのである.難しい人は,自然と敵対してしまう.たとえば不登校の子で,学校へ行こうと思ったら大雨が起こるとか何か事故が起こるとか,動きを妨げることばかりが起こる人がいる.そういう人は,一見,それほど大変そうに見えなくても,やはり難しいと言わざるを得ないだろう.それとは違って,このクライエントは自然を見方にする強さを持っていると言えるだろう.

[記録] 河合隼雄・岩宮恵子 ● 家を背負うということ 40ページ 「臨床家 河合隼雄岩波書店から。

自分って、自然に敵対してしまうことろがあるかもしれないと思ってしまったが、この記録では、河合先生はクライエントの力を表現する比喩としてこの話を使っているのである。だから、誰も非難していないし、不安にさせていない。私が自分を不安にする種を先生の文章から見つけてきているのである。
いいときも悪いときも、人生の流れを見つめる目を私は持っている。だからあるところに行こうとすると雨が降ったり自転車のチェーンが外れてとぼとぼ歩くことになっても、気に病むことはないのだ。すべてうまくいっているし、人生はなるようになるのだから。
追記:前略部分が重要と思い、段落の始めから引用することにした。「治療がうまくいく人・いかない人」という区別が,「勝ち組・負け組」という区別のように自分がどれに当てはまるかを検討させ,不安にさせるのだ。私にそういう思い癖(二者択一的な)があるのだろう。
また河合先生自身も、そういう概念的な表現をするところがあるのかもしれないなぁ。