「わたしのなかのあなた」☆☆

ジョディ・ピコー女史のウェブサイトの機械翻訳
借りてきて何日か経過して、ようやく読めるようになった。新しい本は刺激であるとともに異物であり、私の身体は抵抗する。(自己と非自己を区別して)異物を排除する働きは免疫を思わせる。
私が処理する能力を上回って情報が入ってくる場合にはある閾値を越えるとシャットダウンして休養を余儀なくされる。しかし、回復するときは来る。

試写会で映画化されたものを見てきた姉が、感想を聞かせてくれるどころか怒って帰ってきたのも、内なる権利意識に目覚めたからなのだろうかと気づいた。病児の兄弟の心理的問題にスポットを当てた番組に共感し、私はあれだといっていた時期があった。
※その怒り自体が感想だったのだと思う。



ジョディ ピコー, Jodi Picoult, 川副 智子 (2006-09)


おすすめ度の平均: 4.5
4
兄弟のいる人なら誰もが経験する
4
シャム姉妹の「半神」と似たテーマ
5
どうしても自分に置き換えて考えることを避けて通れない物語
5
心を捉える久々の1冊
5
読了後も答えをだせません。



私の犠牲になったと彼女は感じているのだろうか。しかし、彼女の主張する納得できないのは、私が〜であること(姉にとってはあなたが〜であること)であり、それは彼女の権利の範囲外のことなのだと感じる。そういう感情を表明するのは自由なのだけれど。
わたしのなかのあなた (Hayakawa Novels)

わたしのなかのあなた (Hayakawa Novels)

原題はMy Sister's Keeperであり、わたしの姉のKeeperであることは、つまりデザイナーズベイビーであることを表しているのかと思ったらG4を引いても腑に落ちないものばかり。キーワードであることは間違いない気がする。本を読み進むうちに出てくるかもしれない。邦訳の意味も・・・。
※スペア(予備)のような意味?代わり、代替物。守る人。姉を守る人。保護者。
※Amazon10/3日付のレビューにヒントがありました。

衝撃的な結末には読んでいて涙がでてしまいました。
原題は"My Sister`s Keeper"(私の姉の番人)、聖書のカインの言葉のもじりです。
この本を原作とした映画がもうすぐ公開されますが、
本作を読むことで、作者の伝えたかったことが一層理解できると思います。

※最後まで読んで、キーパーというのは、この作品のなかでは、アナが始めたアイスホッケーのキーパーの比喩で使われていることが分かりました。「わたしのなかのあなた」というのは、最後の最後で出てきます。
※「わたくしのなかのそなた」という別訳が早くも登場したそうです。どこか、高貴なにおいのする日本語になっています。しかし、スノッブともいえます。(もちろんジョークです。)
※尚、「わたしのなかのあなた」という邦題には、「アナ」という登場人物の名前が意図的に織り込まれています。「わたしのなかのアナた」→「私の中にいるのはアナだ」という意味とともに、→「私の中の穴だ」これはつまり、私の中の欠落を含意しているのです。この物語は、その欠落を補う戦いの日々を描いています。
※また、「私の中のアナコンダ」というサイドストーリーを描くパロディ映画が登場しました。自分の中にいるアナコンダをもてあましている少年少女の物語です。ある日アナコンダが暴走して・・・続きが気になる人は映画館で!google:私の中のアナコンダ

My Sister's Keeper: A Novel

My Sister's Keeper: A Novel

※映画の原作を借りてきても、最後まで読めることはまれです。この本は、その数少ない一冊となりました。招待券を姉に譲ったので、そもそも映画を見逃したし。
※すでに文庫本になっていることに驚く。
私の中のあなた 上 (ハヤカワ文庫NV)

私の中のあなた 上 (ハヤカワ文庫NV)

私の中のあなた 下 (ハヤカワ文庫NV)

私の中のあなた 下 (ハヤカワ文庫NV)

※「わたしのなかのあなた」で検索してきてくれる方のおかげでアクセスが増えました。ありがたいことです。