先生

先生を必要としたのは私だった

道を照らす灯火となってくれるような
心細いときに頼れるような
僕の心を打ち明けても安心感を与えて
落ち着かせてくれるような

こんな僕を預けても 引き受けてくれるような
すべてを 受け容れてくれるような 
そんな 大きな存在に憧れて
飛び込んでいった あの日

師を得られない 身勝手な 我の強さ 
それは 哀しみ 寂しさ 僕をまた ひとりにする
誰とも相互作用しないで
空気や石や鉄と話して コンクリートの上を彷徨う

人との別れを通して僕は自分自身になる

先生が先生であるように
私は私自身になる それでいい

こうして こう感じていることや
こうして こう欲していることや
こうして こう前に進んでいることを

認めてあげたいんだ

自由でありたい
純粋になりたい

僕が僕であるところのものになりたい

他の誰が知ると言うのだろう
内側から溢れてくるこの指向性を
誰が責任を持つと言うのだろう このいのちの