人物伝

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http://www.nhk.or.jp/shiruraku/200707/tuesday.html
再放送を途中から見た。愛でもなく、金でもなく、「なんなのか」。
大助が仕事を求めて奔走する大助の姿に、感じるものはあった。

『それから』の主人公・代助は親に生活費をもらい、何の仕事もしていない。実業家の父をばかにしながら、そこに寄生している。ものごとに意味を求め、考えるばかりで活動しなくなってしまう“高等遊民”。友人の妻を愛した代助は、親から縁を切られ、何かにとりつかれたように電車に飛び乗り、世の中が赤く回って見えるところで物語は終わる。しかし姜さんは、代助は愛を信じたわけではないとみる。腹をくくった相手の女性に比べ、代助は思索の時間と生活のための労働の間で揺れている。愛でも金でもどうにもならない自我の孤独。それは近代的知性の行き詰まりであり、答えが見えず苦悩する漱石自身の姿だと姜さんは見る。